韓国旅行のeSIMは、日本でコードを読み込み、現地でローミングをオンにする。Androidでもこの2段階で通信が始まります。
つまずく理由は操作の難しさではありません。メーカーによって設定画面の名前が違うことです。iPhone向けの解説を見ながら進めると、書かれている項目が自分の端末に見当たらず、そこで手が止まります。
この記事では、Pixel、Galaxy、Xperia、AQUOSの入口を先に示したうえで、日本でやる作業と韓国でやる作業を分けて並べました。上から順になぞれば、出発前の登録は5分ほどで終わります。
韓国eSIMのAndroid設定は日本での登録と現地での開通で終わる
Androidでも順番は同じで、出発前に日本で登録し、到着後に韓国でローミングを有効にするのが正解です。
手順の全体像
やることを場所ごとに分けると、次のようになります。
| 場所 | 操作 | 目的 |
|---|---|---|
| 日本(出発前) | 対応確認、コードの読み込み、回線名の編集 | 端末にプロファイルを入れておく |
| 日本(出発前) | データ通信の割り当てを日本側に固定 | 出発までの通信を普段どおりにする |
| 韓国(到着後) | 日本の回線をオフ、韓国の回線をオン | 使う回線を入れ替える |
| 韓国(到着後) | ローミングをオン | 現地の電波を掴む |
| 韓国(必要時) | APNの手動入力 | 電波は入るのに通信できない状態を直す |
韓国用のプロファイルは日本国内では電波を掴めません。出発前に終わらせるのは登録までで、そこから先は現地に着いてからと覚えてください。
かかる時間と用意するもの
出発前の登録は5分前後、到着後の操作は1分ほどです。
必要なものは3つあります。
- 購入時に発行されたQRコード(メールまたは購入者ページに届きます)
- コードを表示するパソコンやタブレット、もしくは印刷したもの
- Wi-Fi環境
読み取る端末そのものにコードを表示させることはできないため、別の画面か紙が要ります。準備がない場合も、多くの事業者は文字を手で入力する方式を用意しています。
出発前に日本で行うAndroidのeSIM登録手順
登録は購入した当日から可能です。旅行の前夜ではなく、数日前に済ませておくと安心です。
STEP1 端末がeSIMに対応しているか確かめる
対応の可否は、32桁のEIDが表示されるかどうかで判定できます。
設定 > デバイス情報 と進み、詳細の項目にEIDがあれば使えます。機種によっては端末情報やタブレット情報という名前になっています。
| メーカー | 対応の目安 |
|---|---|
| Google Pixel | Pixel 4以降のモデルが対応。設定画面も最も標準的 |
| Samsung Galaxy | S20前後以降のモデルが中心。同じ型番でも販売元により仕様が分かれることがある |
| Sony Xperia | 1 IV前後以降のモデルが中心 |
| Sharp AQUOS | R7、sense6前後以降のモデルが中心 |
| OPPO、Xiaomi など | 上位モデルを中心に対応 |
対応状況は発売時期と販売元で変わるため、この表は目安として使い、最終判断はEIDの有無で行ってください。
もう1つ条件があります。SIMロックがかかった状態では使えません。契約中の通信会社の会員ページで解除の可否を確認してください。すでに解除済みか、はじめからロックのない端末であれば問題ありません。
STEP2 メーカー別にeSIMの追加画面を開く
ここがAndroidで最も迷う箇所です。入口の名前がメーカーごとに違います。
| メーカー | たどる順路 |
|---|---|
| Google Pixel | 設定 > ネットワークとインターネット > SIM > SIMを追加 |
| Samsung Galaxy | 設定 > 接続 > SIMマネージャー > eSIMを追加 |
| Sony Xperia | 設定 > ネットワークとインターネット > SIM |
| Sharp AQUOS | 設定 > ネットワークとインターネット > SIM |
| その他 | モバイルネットワークやデュアルSIMという名前になっている場合があります |
表に自分の機種がない、または表示が一致しない場合の近道があります。設定アプリ上部の検索窓に「SIM」と入力してください。該当する項目が直接出てくるため、階層をたどる必要がなくなります。OSの更新でメニュー名が変わったときにも同じ方法が使えます。
なお、ここで選ぶのは追加であって、既存の回線を置き換える操作ではありません。日本で使っている回線はそのまま残します。
メニューの名称はOSの更新で変わることがあります。Pixelの最新の順路はGoogleの案内をご確認ください。新しい eSIM を設定する(Google Pixel ヘルプ)
STEP3 Wi-Fiにつないでコードを読み込む
読み込みには通信が必要なので、先にWi-Fiへ接続します。
- Wi-Fiに接続する
- STEP2の順路でSIMの追加画面を開く
- QRコードの読み取りを選ぶ(ダウンロードという表記の端末もあります)
- 別の画面に出したコードにカメラを向ける
- 表示された内容を確認してダウンロードを実行する
完了までに1分ほどかかります。途中で画面を切り替えたり、Wi-Fiが切れたりすると失敗するため、そのまま待ってください。
読み取りが通らないときは、同じ画面から手入力に切り替えられます。購入時のメールに書かれたSM-DP+アドレスとアクティベーションコードを入れてください。
STEP4 回線名を変えて日本側を優先のままにする
追加した直後の名称はわかりにくいため、韓国旅行などに変えておきます。
SIMの一覧から追加した項目を開き、名前の編集を行ってください。現地で切り替えるとき、どちらが渡航用なのか一目で判別できます。
割り当ての設定は、この時点では全て日本の回線のままにします。
- モバイルデータ: 日本の回線
- 通話: 日本の回線
- SMS: 日本の回線
あわせて、自動でデータ通信の接続先が切り替わる機能はオフにしてください。端末によってはモバイルデータの自動切り替えという名前で並んでいます。有効なままだと、韓国側の電波が弱い場所で日本の回線に戻り、国際ローミングの料金が動き出します。
韓国に着いてから行う開通の操作
到着後にやることは4つです。機内モードを解除する前に始めるのが要点になります。
STEP1 機内モードのまま日本の回線を止める
着陸したら機内モードはそのままにして、設定を開きます。
SIMの一覧から日本の回線を選び、使用のスイッチをオフにします。
先に止めるのは、電波を掴んだ瞬間に国際ローミングが始まるのを避けるためです。順番を入れ替えないでください。
STEP2 韓国用の回線を有効にしてデータの担当を移す
同じ画面で、STEP4で名前を変えた項目を開き、使用のスイッチをオンにします。
続けてモバイルデータの割り当てを韓国用へ変更してください。回線が有効になっていても、通信の担当が日本側に残っていると何も起きません。Androidで最初に疑うべきはここです。
STEP3 ローミングをオンにする
韓国用の回線を開いた画面で、ローミングを有効にします。繋がらないと言われる原因の大半がこの項目です。
海外の通信網を借りる仕組みである以上、この設定は必須です。日本の回線はすでに止めているため、有効にしても日本側の課金は発生しません。
端末によっては、切り替えた直後に確認のメッセージが出ます。内容を読んで進めてください。
STEP4 機内モードを解除して表示を確かめる
ここまで終えたら機内モードを解除します。
画面上部にSKT、KT、LG U+のいずれかが出れば開通しています。これらは韓国の通信会社の名前で、購入したプランによって接続先が変わります。
反映まで1分ほどかかることがあります。すぐ変わらなくても、しばらく置いてからブラウザを開いてみてください。
AndroidでAPNの手動入力が必要になる場合
アンテナは立っているのにページが開かないときは、APNが入っていない可能性があります。
APNは通信の出入口を指定する設定です。iPhoneではプロファイルと一緒に自動で入ることが多い一方、Androidでは反映されず空欄のまま残る場合があります。電波の表示だけを見ていると原因にたどり着けないため、順番として先に疑ってください。
アクセスポイント名を開く場所
たどり方は、回線を追加したときとは別の経路になります。
設定 > ネットワークとインターネット > モバイルネットワーク と進み、韓国用の回線を選んでアクセスポイント名を開きます。Galaxyでは接続の中にモバイルネットワークが入っています。
入力する値は事業者ごとに異なります。購入元の案内ページやメールに書かれた文字列を、そのまま入れてください。推測で入れると通信できないだけでなく、原因の切り分けが難しくなります。
保存したあと、機内モードを一度オンにして戻すと反映されます。
SKテレコムなど韓国の通信会社のプランを選んだ場合
韓国の通信会社が直接販売するプランでも、Androidでの操作そのものは変わりません。
違いが出るのは接続先の名前と、入力を求められる文字列です。SKテレコム、KT、LG U+のどれを使うプランかによって案内される値が異なるため、購入したページに書かれた内容だけを使ってください。別の会社向けの値を入れても接続はできません。
空港のカウンターで受け取る形式のプランでは、係員が設定まで済ませてくれる場合があります。その場で画面を見せて確認しておくと、あとから自分で触る必要がなくなります。
通信できないときにAndroidで見る5箇所
手順どおり進めても電波が入らない場合、原因はほぼ5つに絞られます。
- ローミングがオフのまま 最も多いパターンです。渡航用の回線を開いて確かめてください
- モバイルデータの割り当てが日本側に残っている 回線は有効でも、通信の担当が移っていない状態です
- 機内モードが解除されていない 設定に集中していると意外に見落とします
- アクセスポイント名が空欄または誤り 前の見出しの手順で確認します
- プロファイルのダウンロードに失敗している 一覧に項目自体が並んでいない場合はこれに当たります。Wi-Fiを変えて読み込みからやり直してください
再起動で解消することもあります。それでも変わらないときは、購入元のサポート窓口に問い合わせるのが早道です。
帰国後にAndroidで戻しておく設定
帰国したら、渡航用の回線をオフにして日本の回線を元に戻します。
SIMの一覧から韓国用の項目を選び、使用のスイッチを切ります。続けて日本の回線を有効にし、モバイルデータの割り当ても日本側へ戻してください。あわせて、出発前にオフにした自動切り替えを元に戻すかどうかを決めます。
この作業を飛ばすと、日本に着いてもデータ通信ができない状態が続きます。空港でつながらないという声の一部は、これが理由です。
使い終わったプロファイルは端末から消せますが、削除すると同じコードでの復元はできません。期限が残っているなら、消さずにオフのまま置いておくのが無難です。
どのプランにするかがまだ決まっていない場合は、比較記事も参考にしてください。
韓国eSIMのAndroid設定でよくある質問
どのAndroid端末でも使えますか
いいえ。EIDが表示されない機種は対応していません。設定 > デバイス情報 から確認してください。あわせてSIMロックの解除状況も必要です。
Galaxyだけ設定画面の並びが違うのはなぜですか
メーカーが独自の画面設計を採用しているためです。項目の名前は変わりますが、やること自体は他の機種と同じです。見つからないときは設定の検索窓にSIMと入れてください。
QRコードを同じ端末の画面に表示して読み取れますか
できません。カメラを向ける必要があるため、別の機器か印刷したものを用意してください。難しい場合は手入力の方式に切り替えられます。
日本の電話番号はそのまま使えますか
使えます。日本の回線を止めなければ着信は受けられますが、その状態では国際ローミングの料金が発生する可能性があります。通話とSMSを残したいなら、電話番号が付くプランを選ぶか、日本側のデータ通信だけを切ってください。
物理SIMと組み合わせても大丈夫ですか
問題ありません。日本の回線がカードのままでも、渡航用をプロファイルとして追加すれば2回線を並行して持てます。ただし現地では、どちらがデータ通信を担当しているかを必ず確認してください。
他の国のeSIMでも同じ手順ですか
基本は同じです。追加画面のたどり方も、ローミングを有効にする流れも共通しています。変わるのは接続先の通信会社の名前と、入力を求められる値だけなので、一度覚えれば次の渡航先でもそのまま使えます。